2026年2月

  • 沖縄から届いた一通の便り

    JYMA 日本青年遺骨収集団をご存知ですか?

    一通のはがきが届きました。消印は沖縄、糸満。差出人は、日本青年遺骨収集団(JYMA)の一員として活動している大学生のSさんです。

    そこには2月9日から18日までの間、沖縄県糸満市の山城海岸とアバタガマにて戦没者の遺骨収集に従事しているという報告が記されていました。私がサイパンとペリリューでの遺骨収集に参加した際も、JYMAのメンバーと一緒に作業をさせていただきました。それ以前は、このような団体のあることを私も知らなかったのですが、定期的に送っていただく会報で知る彼らの行動には心から敬意を感じています。

    JYMA日本青年遺骨収集団の会報「遺烈」と、先日届いたはがき

    「国の責務」と若い力

    戦後80年を経過した今も、かつての戦地には多くの兵士が眠ったままになっています。国は遺骨の収集を「国の責務」と位置づけ、現在も国内外で多くの活動が展開されています。

    私は日本遺族会からの派遣として遺骨収集にあたっていますが、会員の高齢化が進み、活動の継承が大きな課題となっています。日本遺族会の会員数は、平成初期にはまだ100万世帯を超えていましたが、令和が始まった2019年には約57万世帯、そして昨年には約35万世帯へと急減しています。

    未来へ託す「人生の証」

    戦争の記憶が風化していくことが懸念される中で、Sさんのような若い世代が、遺族と同じ、あるいはそれ以上に高い意識を持って活動している事実は、私たちにとって大きな希望です。

    彼らが土の中から探し出すのは、単なる歴史の断片ではありません。かつてこの国に生きた、一人ひとりの「人生の証」そのものです。

    一通のはがきを手にし、私も思いを新たにしました。彼らが繋ごうとしているその志を受け止め、私もこの上田の地で、戦争の記憶や地域の歴史を次の世代へと繋ぐ役割を果たしていきたいと考えています。

    今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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  • 地域の熱気、「無尽」の力

    無尽での対話から気づきを得た、持続可能な地域防災へのヒント

    朝の明るさと日中の暖かさに確実な春の到来を感じます。花粉症も始まったかな?
    読者のみなさま、お変わりありませんでしょうか。

    地域の熱気、「無尽」の力

    昨夜は後援会長さんに誘っていただき、会長が参加されている「無尽(むじん)」にお邪魔しました。

    「無尽」と聞いても馴染みのない方がいらっしゃるかもしれませんが、ここ上田市では今も盛んな、仲間内での定期的な集まり(飲み会)のことです。私自身も一つの無尽に参加していますが、年齢や職業の枠を超えた「本音の対話」ができるこの場は、私が政治を志す大きな原動力となっています。

    初対面の私を温かく迎えてくださった昨日の無尽でも、お酒の席だからこそ語られる「地域の切実な課題」に触れることができました。

    「形骸化」という静かな危機

    私がまちづくり協議会の防災安全部会メンバーであり、防災士、そして消防団員OBであるという経歴から、話は自然と地域の安全を守る「消防団」と「自主防災組織」のあり方へと広がりました。

    いま、消防団は団員確保に非常に苦慮しています。遠距離通勤のサラリーマンが増え、いざという時に駆けつけるのが難しい実情があります。仕事や生活環境の変化により、制度としての枠組みと実際の活動を両立させることが年々難しくなっている、という現場の切実な悩みを改めて伺いました。

    一方で、自治会による「自主防災組織」にも別の根深い課題があります。

    毎年、自治会の役員が「防災リーダー講習会」に参加し、組織図を提出しますが、その多くは充て職(あてしょく)です。名簿に名前が載るだけで、具体的な役割が伴わない、もしくは指示されないケースも少なくありません。その結果、「名前だけ貸している」という状態になり、いざという時の責任感や当事者意識が育ちにくい構造になっています。

    発想を転換し、持続可能な仕組みのアイディア

    この「名簿だけの組織」を、どうすれば「命を守る組織」に変えられるのか。

    今回、無尽の席でお聞きした「消防団の機能を自主防災組織へ組み入れてはどうか」という提案は、制度をうまく設計することができれば、山間部の集落には理想的な解決策となりそうです。

    ふだん地域に在宅し、地理や世帯事情も熟知している自主防災組織が、消防団の役割の一部を担い、日常的に訓練を行う。そして、責任ある活動に対してはしっかりと報酬で報いる。

    「なり手不足」の消防団と、「形骸化」の懸念がある自主防災組織。この二つを統合・再編することで、持続可能な地域防災のモデルが築けるのではないか——。

    教科書通りの政策ではなく、こうした地域の車座から生まれる「現場の知恵」こそが、上田市の未来を切り拓く鍵になると確信しています。

    今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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  • 独鈷山がつなぐ縁と、平和への思い

    「しおいり通信」を熱心に読んでくださっている方と偶然お会いした話

    しばらく間をあけてしまいました。
    寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

    思わぬ場所で「読者」との出会い

    近所の集落を一軒ずつ訪ね、お話を伺う活動を続けています。先日、あるお宅を伺った際、嬉しい驚きがありました。なんと、この「しおいり通信」を読んでくださっている方と巡り合ったのです。

    農業関連の用務で最近ご縁をいただいたばかりの方なのですが、私の発信に深く共感してくださっており、「ぜひ応援したい」と満面の笑みで迎えてくださいました。 驚いたことに、その方も私に「もっとリーフレットを預かりたい」と連絡をとろうとした矢先だったとのこと。あまりに嬉しいタイミングの良さに、二人で顔を見合わせて驚いてしまいました。

    小説『独鈷山』 映画化への情熱

    小説「独鈷山」という作品をご存知でしょうか。西塩田、東前山のご出身である黒坂正文さん(コカリナ奏者・黒坂黒太郎さん)の著書で、私たちの住む西塩田の、少年たちの暮らしを鮮明に描いた作品です。正直に白状しますと、実は、この本を実際に購入し、読み始めたのはつい最近のことです。いま、この作品を映画化するプロジェクトが進行しており、この「しおいり通信」の熱心な読者の方は、このプロジェクトを中心で支える仕掛け人の方だったのです。

    映画化への支援に関する情報はこちらをご覧ください。

    嬉しい再会と、心揺さぶる音色

    この出会いには、さらに驚く続きがありました。 週末に参加した「上田郷友会」の月例会。会場へ着くと、そこにはその「仕掛け人」の方の姿がありました。手には私のリーフレットを持って。

    すごくびっくりしてしまったのですが、今回の月例会の講師は小説「独鈷山」の著者で、オカリナ奏者の黒坂黒太郎さんであったことを私はすっかり忘れていたのです。

    黒坂正文さん(オカリナ奏者、黒坂黒太郎さん)によるご講話

    「コカリナ」は、自然の木から削り出して作られます。長野オリンピックの会場整備に伴い伐採された木からコカリナを製作し、オリンピック表彰式で児童とともに演奏されたことで一躍有名となりました。他には、火災で消失した小学校の焼け残りから作られたコカリナ、戦争が終わったことを知らぬまま元兵士が2年も樹上で生活したガジュマルの木から作られたコカリナ、さまざまな経緯をもったコカリナのお話を聞かせていただきました。

    平和のコカリナ。平和を語り継ぐ貴重なツール。

    特に心に響いたのは、広島で原爆の火に焼かれながらも生き抜いた木から作られた、「被爆樹コカリナ」の音色です。木が記憶する歴史を奏でるようなその澄んだ響きは、静かに、しかし力強く平和の尊さを訴えかけてくるようでした。

    私はこれまで、遺族会の活動や招魂社での務めを通じて、戦争の記憶を風化させず、平和への願いを次世代へ語り継ぐことの大切さを感じてきました。西塩田の風景を描く映画化プロジェクトの話から、平和を願うコカリナの調べに触れたことで、改めて自分の使命を再確認いたしました。この美しい西塩田の暮らしを守り、平和を語り継いでいくために、今の活動をより一層、力強く続けていく決意です。

    今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

    コカリナと平和活動 について詳しくはこちらを

About Me

塩入友広【しおいり・ともひろ】
SHIOIRI Tomohiro
元・工作機械メーカー電気制御設計
活性化で価値向上!

・第二種電気工事士
・第三級アマチュア無線技士
・防災士
・放送大学全科履修生(2023-)
・上田市遺族会西塩田支部長
・元上田市消防団第十六分団副分団長
・元上田市消防団音楽隊副隊長
・元塩田公民館手塚分館長
・元手塚青少年健全育成会長

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