機械の仕事に携わっていると、たまに信じられない故障にあたることがある。誕生から携わっているような製品だと制御のA to Zを自分で解っているから、自分が信じられない場合は相手を疑えばよい。そんなことは起こり得ないと自信を持って言えるし、実際、現場へ赴いてみると、信じられない故障など起きてはいない。
しかし4年前に異動してきた今の職場の場合、信じられない故障は実際に起きている。制御のA to Zを自分ではまだ分かっていないから、現象の要因が判らないのだ。解を得るためには、根気よく現象と向き合わなければならない。
先日解決した不具合の原因は、OSのかなり深いところのバグであった。偶然の重なりで顕在化したバグの始末は快感だ。しかし、多くの場合は過去に行われた不具合の対策にボロが出て、別の不具合として対策が必要となるケースである。なぜ、こんなことが起こるのか。
限られた時間の中で不具合に対策を打つ場合、特定の条件下でしか効果のない対策でその場をしのぐことがある。技能士検定の実技検定がそれだ。試験にパスすることが目的の場合は、それでもよい。しかし、残念ながらピカピカな製品であっても、中身のロジックは継ぎ接ぎだらけのパッチワーク。そういうことが、実際にはある。