一級技能士試験 機械保全(電気系保全作業)

実技試験は普段やってる仕事の延長と思ってたので、自信満々で落ちる気がまったくしてなかったのですが、いざやってみたら、まるでダメ男くんでした。
とにかく、「受験」という雰囲気にやられちゃいました。お昼も食べられず、試験後に食べたラーメンも戻しちゃうほど、しおいりってナイーブなんです。
これから受験されようとする方に、恥を忍んで僕の失敗談をお話しします。

課題1(配線とプログラム入力)標準時間50分・打ち切り60分
滑り出しは順調のように思われました。シーケンスの方は問題が事前に発表されていますので、イメージトレーニングしたとおりに配線して、プログラム入力すればOK。落ち着いてやれば、なんのことありません。しかし、他のみなさんの動きがすごく気になるのです。僕の席は最前列だったのですが、周囲の音から、作業が遅れているのは明らかでした。必要以上に丁寧な作業をしてしまったようです。
参考書には、端子の付け方、ねじの締め方、ひとつひとつにアドバイスがあったので、そのとおりに行ったのですが、その心配は不要のようでした。細かいプロセスは問われていないようです。丁寧に増し締めまで行ったのですが、そんなこと、まったく評価の対象にはなっていないようでした。事実、動作確認の審査が終わると、直ちに配線を取り外すよう指示され、そのままゴミ箱行きです。
他の受験者が次々と終了を申告し、審査官の採点を受けるようになると、焦りはピークに達します。そして僕は、部品を取り付けないまま終了を申告してしまいした。もちろん、そのまま動作確認は行われます。実に虚しい。すぐに2回目の採点を受け、なんとかクリアしました。ここまで、33分。標準時間、残り、17分。打ち切りまで、27分。
課題2(プログラム仕様変更)課題1の残り時間内
ここで、新しい試験問題が配られます。課題1で作った回路を拡張し、3つの仕様変更を行うのです。参考書では、単純なランプの点灯が追加されたり、データの比較演算が追加されるような問題があったのですが、今回は押しボタン操作による順序動作を追加する課題が与えられました。ちょっと手間はかかりますが、仕様通りに動けばいいことなので、ふだん書いている感じの歩進プログラムをさくさく打っていました。しかし!ここで大問題発生!なんとメモリオーバ
今回、ちょっと玄人っぽさを演じようと、ちょい古めのPLCとを持ち込んだのです。しかも、パソコン使わずプロコン操作。マニュアルもなく、比較演算系の命令が出たらどうしようかと昨夜も悩んでいたところ、丑三つ時に海外サイトで取説のPDF(英語版)を見つけ、不安解消、気持ちよく床についてたんですが、まさかステップ数が足りなくなるとは。いまそのPDFを見てみたら、「だいたい100くらい」などとずいぶんアバウトな仕様がちゃんと出てました。冷静に考えれば、ステップやシフトを組み合わせてうまく作ることはできたと思います。でも、経験したことのない時間との戦い。そこまで頭が回りませんでした。
3つある仕様変更、全部は無理にしても、1つか2つは終わらせて得点にしようと思い、プログラムを時間ぎりぎりまで検討して、いよいよ打ち切り時間。さて、審査官の採点を受けようかと思ったら、無情にも「配線を外して、片付けてください。」とのこと。え?できているところまで、見てもらいたいんですけど・・・。
ここでひとつ勉強になりました。未完成でも採点を受けたい場合は、打ち切り前に終了を申告しなくてはいけなかったようです。せっかくがんばって作った配線、あっという間に線くずです。
心臓バクバク、喉カラカラ。控え室は全員無言。異様な雰囲気でした。
課題3(故障診断と修正)標準時間30分・打ち切り50分
ここではまず、リレーとタイマ、それぞれ4つずつの中から、壊れている物を選びます。壊れているのは1つだけという未確認情報を真に受け、とりあえず見た目明らかにおかしいリレー(接点を無理矢理半田付けしてある)を1つ選び、解答用紙に記入しました。
続いて、示されたタイムチャートから、回路の不具合を見つけ出すという問題に移ります。まず、タイムチャートから予想される図面をメモ用紙に書き出します。その図面と実物を比較し、間違いを見つければいいだけのことなのですが、僕は、実物の回路を図面に起こしてしまったのです。これは、手順としてまったくの誤りでした。そして、よく確認しないまま既存の配線を取り外してしまったのです。
さあ、焦ってきました。変な汗がだらだらたれてきます。ここで、試験開始時刻を確認し忘れていたことに気づきます。時間経過がわからない恐怖。そして、他の受験者は次々と課題を終え退室していく。もうまともな精神状態じゃないです。
リレーが入らないのに、なんで電源投入しただけでタイマが働くんだ?
・・・リレーにLEDがついていないだけ。それに気づいたのは打ち切り寸前。もう何もかも投げ出したい気分になりました。とりあえず、今回こそはできたところまで評価してもらおうと思い、打ち切りの合図と同時に「終了しました」と申告してみましたが・・・これでは遅かったみたいです。結局、この課題もあえなく打ち切り。無力感が全身を襲います。終わった・・・
部品点検の時、通電試験も行っていればLEDがないことにも気づいたでしょう。先に回路図を書いていれば、スムースに故障診断ができたかもしれません。どれも、たらればです。やっぱり、練習は必要だったということです。断線や異常導通ではなく、悪意を持った配線の小細工が3カ所にもあるんです。普段の仕事とは、まるで違うノウハウが必要でした。
受かれば受験費用は会社で負担してくれることにもなっていたのですが、まぁこれもいい経験だったということで、気持ちよく負けを認めたいと思います。来年、どうしようかなぁ。なんか競争みたいで、僕はこういうの苦手だってことがわかっちゃったし。でも一回で食い下がるのも悔しい気もするし。
どう、宗ちゃん、コツを教えてあげられるから、来年、受けてみない?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。